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数あることわざの中でも、梅を題材にしたものは意外とたくさんあります。特に、梅の花のよい香りをたとえたものや、身近な食べ物としての梅をうまくとりあげたものが多いですね。
例えば、「梅はつぼみより香あり」。早くから才能が現れることを、つぼみの時からよい香りをただよわせる梅にたとえたものです。同じように香りをとりあげたものに、「梅と桜を両手に持つ」といったものもあります。これは、「両手に花」と同じ意味で、見た目の美しい桜と、香りのよい梅をセットにしたもの。このことわざには、ちょっと奥深い由来があって、平安時代の末に編纂された「後拾遺和歌集(ごしゅういわかしゅう)」という歌集に入っている「梅が香を桜の花ににほわせて、柳が枝にさかせてしがな(梅や桜、柳それぞれの一番良いところだけを集めた植物があるといいなあ)」という歌がもとになっているのだそうです。例え方を変えるだけで、なかなか上品な印象になるものですね。
あと、一番の有名どころとしては、「松竹梅」。会席料理のメニューなどで目にすることもある言葉ですが、もともとはおめでたいものを象徴する表現なのだそうです。ここでも、梅は寒い中でも花を咲かせてよい香りをただよわせる、というよい意味で使われています。
(ちなみに、松は冬でも常緑、竹は雪にも堪える、ということで梅とあわせて「歳寒の三友(さいかんのさんゆう)」と呼ばれて中国の画題にされています)
食べ物としての梅についてのことわざは、いぶし銀のような、なかなかしぶい表現のものが揃っています。「梅はその日の難のがれ」は有名ですね。昔から梅干しが体にとてもよいものとして愛されてきたことがうかがえます。
他にも、「梅干しと友達は古いほど良い」といったものや、「梅を望んで渇きを止む」(梅の実は想像するだけで唾が出てのどの渇きを止める)、「梅根性」(梅の酸味は煮ても焼いても変わらないことから、頑固でなかなか変わらない性質のこと)など、挙げたらきりがないほどたくさんのことわざに用いられています。
やっぱり梅は日本人の生活には切っても切り離せない、身近なアイテムなのですね。
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